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私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
藤沼スタイル
EBMerはいつ原著論文を読むのか?
- 1.EBM F_STEP2 情報検索 G_STEP3 批判的吟味 どんなときに原著論文を読むか どんなときに原著論文を読むか?
- 2020.08.21
非劣性試験
なかなかハードルが高いわりによく目にする「非劣性試験」について,概念と批判的吟味のポイントをまとめてみました.
通常のRCTとの違いは
・p値が有意水準を下回ると「劣っていない」(通常のRCTは有意水準を下回ると2つの集団に「違いがある」)
・2群の違いがあるというラインが,「このくらいの劣りな許容できるかな」というラインにズレる
だと思います.
- 1.EBM G_STEP3 批判的吟味 非劣性試験
- 2020.08.12
Bell麻痺
前頭筋への側枝を温存する範囲、つまり耳下腺の深い葉と浅い葉の間の顔面神経の部分的な病変は、顔面神経麻痺を引き起こすが、額のしわ寄せは可能
UpToDate:Bell’s palsy: Pathogenesis, clinical features, and diagnosis in adults > DIAGNOSIS > Peripheral versus central lesions
参照日:2020年8月6日
- N_眼科/耳鼻咽喉科
- 2020.08.06
腎血管性高血圧
腎血管性高血圧症の診断
「腹部雑音が収縮期と拡張期の両方聴取」
感度(95% CI) 39(27-51)、特異度(95% CI) 99(98-100)
陽性尤度比 39、陰性尤度比 0.6
Ann Intern Med. 1979;91(4):617-622
- B_循環器
- 2020.08.06
脱落者の扱い
「結果がわからないような脱落の人ってどうやって解析されているの?」
勉強してみるといろんな方法が編み出されているということがわかりましたので,概念だけ共有します.
今回は手書きです.
- 1.EBM G_STEP3 批判的吟味 脱落の扱い
- 2020.07.27
アイデア出しのマンダラート
- 4.プレゼン部 A_中身で勝負 アイデア出しのマンダラート
- 2020.07.20
心房性期外収縮
PACや上室性頻拍が頻発すると,その後心房細動を発症するリスクが高く,脳卒中の原因となる可能性がある(Stroke. 2007;38:2292.)
1日あたり100回以上PACが起きると,1日あたり100個未満のPACと比較して心房細動発症リスクが増加する(調整済みHR 2.97, 95%CI 1.85-4.8) (Am J Cardiol 2015;116:1852.)
交差したカプランマイヤー曲線
RCTやコホートなどの生存曲線(カプランマイヤー曲線)が交差しているときがあります.
そんなときには批判的吟味のポイントになりうるので,その原因について紹介します.
- 1.EBM G_STEP3 批判的吟味 交差したカプランマイヤー曲線
- 2020.07.13
細菌性肺炎
■診断
・白血球の左方移動はbandが20%以上のとき,感染症の診断に対してLR 2.5/0.6である. (Am J Clin Pathol. 1997 May;107(5):582-91.)
・非定型肺炎鑑別
1.60歳未満
2.基礎疾患がない、あるいは軽微。
3.頑固な咳
4.胸部聴診上所見が乏しい
5.痰がない。あるいは、迅速診断法で原因菌が証明されない。
6.WBC 10000未満
4/6項目合致⇒非定型性肺炎疑い。LR+ 11.0, LR- 0.25
3/6項目以下⇒細菌性肺炎疑い。
1~5項目では
3/5以上合致⇒非定型性肺炎疑い。LR+ 6.46, LR- 0.18
2/5項目以下⇒細菌性肺炎疑い。
(成人市中肺炎ガイドラインより)
・マイコプラズマ肺炎に対しての迅速抗原検査はPCR陽性を基準とするとSn 62.5%, Sp 90.9%, LR+ 6.9, LR- 0.41( J Infect Chemother 2015 Jun;21(6):473)と血清IgM Sn 35~ 77%, Sp 49~100%(J Clin Microbiol 2005 May;43(5):2277)と比べ,性能は低いかもしれない.ただし,IgMが発症後数日経過しないと陽性にならないのに対し,抗原は発症時から陽性になる可能性がある.
・クラミジア肺炎の検査はC.pneumoniea IgAを用いる.多くの成人は再感染で,この場合にはIgMが上がりづらい(外来診療の型.鈴木慎吾著.2020)
■治療
・人工呼吸器管理や昇圧剤が必要な重症肺炎ではステロイドが死亡率を下げるかもしれない.院内死亡率はプラセボ 30% vs ステロイド 0%.その研究でのステロイド使用量はヒドロコルチゾン200mg iv後に240mg/日で持続投与を7日間だった.ただし,早期中止試験なのでrandom highの可能性あり.(Am J Respir Crit Care Med. 2005 Feb 1;171(3):242-8)
・ステロイドはその後の2015年のSRでも重症例では総死亡をRR 0.39(0.20-0.77)に減らした.非重症例では有意差なし.(Annals of Internal Medicine2015;163:519)
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方