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当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

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creative capacity

疾患などのイベントを経験する人がどのようにそれを乗り越えていくか,どう日常生活を維持するために工夫するか.
creative capacityという概念があります.船に乗った人が打ち寄せる波に転覆せずに乗り越えるかに例えられます.
今回は高齢者医療を例にcriative capacityをご紹介します.

 

高齢者医療

「子供は小さい大人ではない」と言われるのと同様に,「高齢者は大きい大人ではない」とも言えます.高齢者医療の目標はなるべく日常生活を維持することと言われています.今回は老いに関連する高齢者の状況評価を,強みや弱みという点で紹介します.家庭医療らしいcreative capacityとCGAが含まれます.

てんかん

■診断

・PRLが基準値の2倍に上昇することはてんかんの診断に有用かもしれない. (Neurology2005;65:668)

・全般性の痙攣発作では原則的に開眼する.閉眼している場合には他の疾患(心因性非てんかん発作や,失神の持続時間の聴取間違えなど)を考える(問診力で見逃さない神経症状.医学書院 2019)

・てんかんに対しての痙攣頓挫後の脳波の感度は,痙攣から時間が経過するにつれて落ちる.24時間以内の場合は62%,25~48時間の場合は51%,49~72時間の場合は40%,72 時間を超えると 31 %だった(J Clin Neurophysiol. 2017 ;34(5):434-437)

■腹部てんかん

典型例は鋭い,疝痛様の痛み.

場所は臍周囲,上腹部(心窩部,右上腹部)が多い.

持続時間は数分以内が多いが1時間以上続くことも報告がある.

随伴症状は嘔気,下痢などの他の症状を伴うこともある.

発作後の倦怠感/疲労感,眠気は1/3程度,ちょっとした意識障害が6割,意識障害や痙攣発作は3割,頭痛は1割強.

毎回同じ症状とは限らない.

脳波は発作間欠期にも異常があることが多いが,特異的ではない.

鑑別診断は同じように発作的な腹痛をきたす,ポルフィリン症,家族性地中海熱,周期性嘔吐症,腹部片頭痛.

腹部片頭痛は臍周囲か局在の伴わない漠然とした鈍い痛みで,1時間以上,1-2日続く点で鑑別.

治療は抗てんかん薬
(Best Pract Res Clin Gastroenterol. 2005 Apr;19(2):263-74)

 

消化管出血

・黒色便

鉄剤内服中も黒色便になるが,ガーゼに便を薄く伸ばしたときには緑色になるのが特徴.

鉄剤の黒色は濃い緑が黒く見えているので,その方法で出血なのか鉄剤なのかを推定できる(消化器内科医からの金言)

びまん性レビー小体型認知症

・びまん性レビー小体型認知症のパーキンソニズムは幻視や認知症の後から出現することが多い.(Continuum (Minneap Minn). 2016;22(2 Dementia):435-63.)

赤芽球癆

・腎性貧血に用いられるエリスロポエチン製剤で薬剤性の赤芽球癆が起こることがある.エリスロポエチンへの中和抗体にによるもの.( N Engl J Med. 2002 14;346:469-75)

びまん性特発性骨増殖症(DISH)

・DISHの稀な合併症として嗄声があり,原因として喉頭の機械的閉塞だけでなく、後輪状突起の炎症による声門の可動性の低下や,骨棘の圧迫による反回神経麻痺がある( J Laryngol Otol. 2000 Feb;114(2):154-7)

糸球体腎炎

・ブドウ球菌関連糸球体腎炎

高齢者では溶連菌感染後糸球体腎炎よりも黄色ブドウ球菌による糸球体腎炎の頻度の方が高い.

溶連菌では感染から糸球体腎炎発症までタイムラグがあるが,黄色ブドウ球菌による糸球体腎炎では感染中から糸球体腎炎を併発することが多い(J Am Soc Nephrol. 2011 Jan;22(1):187-95)

リウマチ性多発筋痛症[PMR]

■診断

・PMRでは白血球と血小板は通常基準値内(UpToDate>Clinical manifestations and diagnosis of polymyalgia rheumatica. 2023/7月閲覧)

・PMRとCrowned dense 症候群の鑑別は腰まわりの症状があればPMR,NSAIDsが著効すればCrowned dense症候群がより疑われる. (Rheumatology (2004) 43 (12): 1508-1512.)

髄膜炎

・髄液ADA上昇(9~10U/L以上)のとき,結核性髄膜炎に対してSn 79%, Sp 91% LR+ 8.8, LR- 0.2( Int J Tuberc Lung Dis. 2010 ;14(11):1382-7 )

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