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私たちの診療Tips

当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

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溶血性貧血

溶血性貧血を疑う場合,ビリルビン上昇の基準上限は患者のヘマトクリットを45で割ったもの.

一見基準範囲内でも,実は上昇している場合があり,ヘマトクリットの補正をしなければならない.また溶血での高ビリルビン血症は通常T-Bil 4未満.(Disease Markers 2015; Article ID 635670)

 

TAFRO症候群

・TAFRO症候群で血小板減少がない患者が約5%いる(Annals of Hematology 2018;97:401)

赤芽球癆

・腎性貧血に用いられるエリスロポエチン製剤で薬剤性の赤芽球癆が起こることがある.エリスロポエチンへの中和抗体にによるもの.( N Engl J Med. 2002 14;346:469-75)

多発性骨髄腫

血液・尿でM蛋白が認められない非分泌型MMNSMM)はMM3%.その中のさらに2~4%はκ/λ比が正常であるtruely NSMMという.これに特異的な検査はないが,低ガンマグロブリンは92%にあり,高カルシウム血症,腎障害,貧血,骨病変があれば診断には骨髄生検が必要になる(外来診療のUncommon Disease vol.3.生坂政臣編著 日本医事新報社.2020

腎性貧血

トランスフェリン飽和度(TSAT)≦20%以下,フェリチン≦500 ng / mL以下の患者では,Hbの増加に伴って鉄に反応する可能性があるため,通常エリスロポエチン製剤を投与する前に鉄を投与する.
Hbが10g/dL未満のほとんどのCKD患者に,TSAT>20%,フェリチン>200 ng /mLの場合にエリスロポエチン製剤を投与する.

例外には,
●活動性の悪性腫瘍(特に治癒が見込まれる患者)または最近の悪性腫瘍の病歴がある患者.癌の進行または再発のリスクが高まる可能性があるため,このような患者の間でのESAの使用は避ける.
●脳卒中を起こした患者.ESAによる副作用(再発性脳卒中など)のリスクが高い可能性があるため,このような患者へのESAの使用は避ける.
●特定の併存疾患(例:寝たきり,機能的能力が非常に限られている,認知症など)があり,貧血からより活動的で症候性のある人と同じ利益をESAから得る可能性が低い患者.鉄補給だけでは達成できない特定の臨床目標(輸血による入院を最小限に抑える、心不全の管理を最適化するなど)を達成するためにHbを十分に改善する必要がない限り,このような患者でのESAの使用は避ける.

Kidney Disease Improving Global Outcomes (KDIGO) clinical practice guideline for anemia in chronic kidney disease. KDIGO 2012.

鉄欠乏性貧血

■診断

・フェリチンのIDAに対する検査性能は

≤ 15 mcg/L→LR 52

15-25 mcg/L→LR 8.8

25-35 mcg/L→LR 2.5

35-45 mcg/L→LR 1.8

45-100 mcg/L→LR 0.5

≥ 100 mcg/L→LR 0.08

 

・鉄飽和度(TSAT)のIDAに対する検査性能は

<5 %→LR 10.5

5-9 %→LR 2.5

10-19 %→LR 0.81

20-29 %→LR 0.52

30-49 %→LR 0.43

> 50 %→LR 0.15

( J Gen Intern Med 1992 ;7:145

 

■治療

・鉄剤内服は毎日よりも隔日の方が吸収がよいかもしれない(Lancet Haematol. 2017;4(11):e524)

血小板減少症

・薬剤性血小板減少症では被疑薬中止後1-2日以内に血小板が回復傾向になり,1週間で正常に戻る(UpToDate>Drug-induced immune thrombocytopenia.2020/5月閲覧)

・入院患者の血小板減少で多いのは薬剤性と感染症.ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の発症は1%程度.(Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2012;2012:191.)
・敗血症は重症患者の血小板減少の原因の約半数を占め,DICの有無に関連なく発症する.(Blood;128:3032.)

・HITを疑うときは4Tスコアを参考にする.カットオフ値を4点以上とした場合の感度0.99,特異度0.54,陽性尤度比2.15,陰性尤度比0.02.(Blood;120:4160)

・輸血後紫斑病

血小板減少が起こる1-2週間前に輸血されている場合は輸血後紫斑病の可能性がある.女性,妊婦で多い.RBC輸血によるものが最多.しかし,超絶レア.(UpToDate>Immunologic transfusion reactions. 2020/8月閲覧)

大球性貧血

■診断

・重度のマクロサイトーシス ( MCV 110-115 fL ) はほとんど例外なく巨赤芽球性貧血と関連している.MCVが130fLを超える109人についての研究では,症例の90%以上がビタミンB12欠乏,葉酸欠乏か,薬剤性(HIV感染に対する抗レトロウイルス治療 ( ART療法 ),ヒドロキシウレア製剤 )であった.
(UpToDate > Macrocytosis/Macrocytic anemia > Evaluation > Clues from the CBC and blood smear (2020/03参照) )

・Vit. B12欠乏と診断された患者で貧血があったのは29%,MCV>100は36%しかいなかった(Mayo Clin Proc. 1994;69(2):144)

血沈亢進

ESR値は年齢とともに著しく増加する.(Arch Ophthalmol. 1976;94:939.)年齢補正式があり,参照範囲の上限は,男性の場合は(年齢)/ 2,女性の場合は(年齢+ 10)/ 2である(Br Med J (Clin Res Ed). 1983;286:266.)

末期腎疾患(ESKD)またはネフローゼ症候群のほとんどすべての患者でESRは上昇し,血液透析の影響を受けない(Am J Kidney Dis. 1987;10:34).ESKD患者の60%近くがESR 60 mm /時を超え,20%は100 mm /時を超えることもある.

偽性高カリウム血症

血小板増加症の正常カリウム血症患者では,測定された血清カリウム濃度がはるかに大きく,血小板数の100,000 / μLの上昇あたり約0.15 mmol / L上昇する.血清高カリウム血症は,血小板数が500,000 / μLを超える患者の1/3で発生しうる.ヘパリン採血による血漿中のカリウム濃度は正常となるため,ヘパリン採血による血漿Kの測定で偽性高カリウム血症を確認できる.(UpToDate>Causes and evaluation of hyperkalemia in adults 2020/5 閲覧)
(Am J Kidney Dis. 1988;12:116)

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