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当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

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葉酸欠乏症

・葉酸欠乏症の原因にST合剤がある(UpToDate>Causes and pathophysiology of vitamin B12 and folate deficiencies 2020/3に閲覧)

家族図

◆家族図作成から仮説生成までの流れ(藤沼康樹先生レクチャー)
1:家族図を書く
2:親レイヤー,子レイヤー,孫レイヤーを意識する
3:当事者+もう一人の3角形で考えると新たな視点が見える.Ex)当事者夫婦+子,当事者夫婦+孫

 

・身体化症状は家族内の適応機能として働いている可能性がある
・一般的なライフサイクルをたどっていない(離婚,再婚,子供いない)などではストレスが強いことが知られている
・ライフサイクルのステージが変わるときにはストレスが強くなる
・家族図:縦断面での評価としてアルコールや虐待などの問題を親子で繰り返していないか,
・また自分の家族の体験を相手の家族に投影してしまっていないか(自分が長男だと相手が長男っぽい役割をしてないと陰性感情を持ってしまうなど)
・家族面談の禁忌:家族が暴力行為をするとき

 

◆家族図作成のキークエスチョン(藤沼康樹先生レクチャー)
・「病気や治療のことで,家族が最も心配していること,問題だと感じていることは?」
・「家族の中で,誰が一番病気による影響を受けてますか?,またその人はそれをどのように語っていますか?」
・「今回のことで,あなたは誰に最も助けられていますか?」
・「今,あなたが一番欲しい情報は何ですか?」
・「今のあなたには,診療所のスタッフからのどのような支援が助けになりますか?」

 

◆退院調整カンファに使うには(藤沼康樹先生レクチャー)
・登場人物把握
・ヘルスエキスパートの確認
・関係性とかは本人達は話してくれないこともあるので,ケアマネに聞いたりすることがある
・家族に接している医師やリハなどから情報を得る
・医療チームで共有するときには家族図はいいフレームワークかもしれない

間質性肺炎

■診断
特発性間質性肺炎[IP]のKL6は間質病変の範囲,SPDが炎症(すりガラス影)の程度と相関しているかもしれない. (respiration 2012;83:190)

心不全

■治療

心不全での入院患者では水分制限群でむしろ30日後のうっ血が多い. (JAMA Intern Med. 2013;173(12):1058)

HFpEFにβ遮断薬が死亡率を下げるというSRが出た(Heart.2018;104:407-415)

脂質異常症の患者ですでにスタチンを飲んでおりTGが高い人がEPAを飲むと心血管リスクが下がる(NEJM.2019;380:11)

■その他

慢性心不全の予後予測ツールがある.Seattle Heart Failure Model では1,2,5年,MAGGIC Heart Failure Score では1,3年死亡率を予測することができる.( Eur Heart J. 2013,34:1404. / Circulation. 2006,113:1424 )

頸動脈狭窄症

■診断

・50-69%狭窄に対する尤度比はエコー 4.0/0.7, CTA 3.2/0.4, MRA 4.1/0.7であり, 70-99%狭窄に対して, エコー 5.6/0.1, CTA 15.4/0.2, MRA 5.5/0.14である. (Lancet 2006 May 6;367(9521).1503)

→スクリーニングはMRA+エコーで行い, その後CTAを行うのが良いかもしれない.

・狭窄が軽度でも内膜剥離術の適応になりうる潰瘍形成の評価には, MRAのblack bloodが検査性能が非常によい[LR 23/0.08]. 頸動脈に不安定プラークがあればMRAを撮影を検討するのが良いかもしれない. (radiology 2015;274.508)

 

■治療

・頸動脈狭窄症のCASは90日間のDAPT内服治療と比べて有意に脳卒中,出血を増やす(NEJM.2011; 365:993)

卓越した病院総合診療医の対象とは

・複雑性が高く,構成要因が比較的重症な多疾患併存患者の入院治療

・下降期慢性疾患の入院治療と外来マネージメント

・未診断・未分化で症状が比較的重い患者の確定診断とマネージメント

・心理社会経済的問題によるCrisisサイクルを一時的にリセットする入院患者のマネージメント

・特定の対象疾患はないこと

(藤沼康樹先生の当科でのレクチャーより)

地域の健康増進

・大枠として地域の健康増進版のPDCAとして地域志向性プライマリ・ケア(COPC)がある.

・地域診断にはcommunity as partner model(CAPモデル)があり,これは網羅的である.

患者中心の医療(PCCM)

・患者中心の医療(Patient-centered clinical method(PCCM))は①健康,疾患,病の経験を語る,②全人的に理解する,③共通の理解基盤を見出す,④患者-医師関係を強化する,の4つのコンポーネントがある

・どんなときに使うか?

 ・主治医がその人の予約が入っていると嫌だなと思うとき

 ・その人の感情に直面するのが怖いとき

 ・薬飲まないとか解釈が違うとき

→つまり,なんか患者さんとの間にズレを感じ,スッキリしないなと思うとき.

・①→④の順番にやらなければならないわけではなく,PCCMの全体像を示したもの.

実際には③の共通基盤がないと感じられたときに,①と②を同時に探っていく.

・①健康,疾患,病の経験を語る:FIFEとその人の健康観を聞く

・②全人的に理解する:コンテクストを考える際には家族図とライフヒストリーが大事

 

臨床倫理 4分割表

実診療ではモヤモヤすることも少なくありません.

そんなときに何か大事な視点が欠けていないかを検討するのに臨床倫理の4分割表を多用します.

・医学的適応のポイントとして,その人の余命の見積もりとアウトカム発生率の見積もりは,介入を行うかに直結するため重要です.そのためにはEBMの定量的な評価が必要になります.

・患者さんの意向のポイントは代理決定時に,「”患者さんだったら”どう思いますか?」というのが非常に大切だと思います.

・周囲の状況として,経済的な視点は避けては通れません.特に入院継続や施設入所にどのくらいのお金がかかるのかは具体的にイメージができていないと,現実的な選択肢になりません.

・QOLではCLINICAL ETHICS 8th edによれば,もともとの状態との落差がQOLを大きく規定するとのことです.もともとADLが自立な人のADL低下と,もともとADLが低い人のさらなるADL低下では,現時点のADLは同じでも前者の方がQOLは大きく損なわれている可能性があるとのことです.そのため,元の状況がどうかもポイントになります.

 

 

EBMの5つのステップ

EBMの5つのステップ.

まずこれを知ることから始まります.

なんとなく枠組みをおさえたら,各ページへどうぞ.
私たちが学んだTIPSを共有します.

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