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当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

私たちの診療Tips > 2.家庭医療理論

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健康生成論

なぜ,あの人は生き生きとしているのか?
疾患があったとしてもその人が「生き生き」としているのは,健康度が高いからかもしれません.
「疾患がない=健康」という概念ではなく,「身体,精神,社会的に良好な状態=健康」と定義される中で,どうやったら健康になれるか,どうやったら健康状態を維持できるかを追求したのがアーロン・アントノフスキーの健康生成論です.
医療福祉生協連家庭医療学開発センターの藤沼康樹先生の家庭医の5つの神器の1つに数えられるこの概念は,その人の持つ健康に対する資源に着目するものです.
ゲームの主人公が経験値を得てレベルアップし,新しい技が使えるようになるように,その人の生まれ育った環境やこれまでの成功体験などがストレスという敵に対する防御力や攻撃力になります.

健康に影響を及ぼす社会的要因(SDH)

健康状態が良くない患者さんに,「自己責任」としていませんでしょうか?
人間の健康状態には,その人個人の問題以外にも社会的な背景が影響している割合が大きいと言われています.
こういった健康に影響する社会的な要因をSocial Determinants of Health(SDH)と言います.
特にこういった患者さんに対しては「自己責任」として医療者は陰性感情を持ちやすいと言われており,認識すること,また医療職としてなにかお手伝いできないかという点が重要になります.
今回はSDHについてインフォグラフィックを交えながら共有します.

家庭医療理論のパラダイム

家庭医療理論を学んでいて,「これってどうやって患者さんの問題解決に役に立つんだろう?」と思うことがありませんか?
実はそれは意図せず問題解決モードで患者さんに対応していて,そのモードの延長上に家庭医療理論を位置づけ,問題解決ツールとして使用しようとしているからかもしれません.

従来の医学教育で刷り込まれている「問題解決モード」とは別に家庭医療を実践する上で必要な「ナラティブモード」が総合診療に必要で,それらを同時に動かすことが重要だと東京医療センターの尾藤誠司先生に教えていただきました.

それらのモード(オペレーションシステム)の違いをまとめました.

統合ケア 個人,集団,システム面から

いまいちイメージしづらい統合ケアについて,個人,集団,システム面からまとめてみました.

個人に対して医療は実は同一医療提供者層と,各施設の層をまたいだ価値観・文化,システムの共有からできているのだと学びました.

UKカンファを振り返ると,まさに垂直統合,協調という感じがします.

振り返り法

振り返り法のSEA, Clinical Jazzの概要をおさらいをします.

EBMでいうstep5にあたります.
振り返り系はなんでもそうですが,批判的に見ずに学びを促進することを目標にしましょう.
また学習者はモヤモヤしていることを自分で言語化するだけで,自分で気づくことがあるので,とにかく他の人に聞いてもらうのがいいかもしれません.

カリキュラム開発概論

教育の分野でレジデントのカリキュラム開発をすることもあると思います.

重要なのはインストラクショナルデザインと同様に,ミッションを意識しながら学習者のアウトカムを設定して,それをどう評価するかという点だと感じています.そしてそれをPDCAに回していくようですね.

『医学教育を学び始める人のために』
Ronald M. Harden (著), Jennifer M. Laidlaw (著), 大西 弘高 (翻訳).篠原出版新社.2013

やインストラクショナルデザインの資料を参考に,概要を作ってみました.
プレゼン部で作ったものなので,見た目がアレですみません.

 

BPSモデル

・BPSモデルはそれぞれの要因を見つけ,相互関係を見つけていく.介入の際にはシステム理論に基づくので,「風が吹いたら桶屋が儲かる」のように一つの介入がどんな他への影響を及ぼすかを考える.効果的な介入点をレバレッジポイントといい,やみくもに介入しようとせずどこがレバレッジかを考える.

・複雑困難事例などでの多職種カンファではBPSモデルを利用したアプローチが有効.Bは医師,Pは看護師,SはMSWが強いので協働して検討する.

 

■BPSS(Biopsychosocial-Spiritual)インタビュー
B,P,Sをそれぞれ聞いていく質問法.代表的な質問は下記.心理療法士向けの内容だが,おそらく私たちがBPSモデルを考えるときにも部分的に適用できそうです.ひどい訳ですがお許しください.

 

・Biomedical
1:あなたの健康状態やillness・怪我などの経験について教えてくれませんか?どんな症状が気になっていますか?どの症状に初めて気づきましたか?それをコントロールするためにどんな手段や治療が必要でしたか?
2:あなたと医療者との関係を教えてくれませんか?例えば,彼らがどんな助けになったか?またどんなことで困りましたか?
3:今回のことを通して,自分の体がどんな反応をしたことに一番驚きましたか?
4:あなたや,家族は過去にこれまでillnessや怪我などに対して医療を要してきたことはありますか?もしあるのなら,それは今の自分にどういう影響を与えていますか?
5:あなたの体の症状が感情,考え,行動に与えるインパクトをどのように気づきますか?

 

Psychological
1:あなたに影響を与えたillnessの経験についてどう思いますか?
2:この経験を通して最もあなたを驚かせた感情はなんですか?なぜですか?
3:あなたが診断されてから,あなた自身や家族,あなたの仕事や趣味などの活動などに対しての考え方は何か変わりましたか?どんなふうに?:
4:どうな風に考えれば気分良く感じられますか?逆にどんな考えがあなたのエネルギーを失わせてしまいますか?

 

Social/Environmental
1:あなたのそばにいる,あたなの健康についての心配を一番話せる人は誰ですか?
2:今回の経験を通して,家族の中で最も支えになったのは誰ですか?その人は何をしましたか?もっと支えてほしいと思う人は誰ですか?
3:今日の受診にあたって,社会的なサポートの中で何が困難でしたか?どうやってそれを乗り越えたのですか?
4:家族はそれぞれがケアや心配についてどのように言っていますか?
5:あなたの健康を管理するにあたっての他のストレスはなんですか?(経済?交通?仕事?司法?教育?)

 

Spiritual
1:なぜこんなillnessや健康危機の経験をすることになってしまったと思いますか?
2:今回のことはあなたの人生にどんな意味を持ちますか?
3:あなたを超えてあなたを今回のことから救ってくれる人や場所,物はありますか?どんなふうに?
4:今回の経験はあなたのスピリチュアルな考え方に影響を与えましたか?どんなふうに?
5:制御不可能だと感じてしまうのはどの健康の部分ですか?

(The Therapist’s Notebook for Family Health Care: Homework, Handouts, and Activities for Individuals, Couples, and Families Coping with Illness, Loss, and Disability 1st Editionから訳.悲しいくらい直訳)

家族図

◆家族図作成から仮説生成までの流れ(藤沼康樹先生レクチャー)
1:家族図を書く
2:親レイヤー,子レイヤー,孫レイヤーを意識する
3:当事者+もう一人の3角形で考えると新たな視点が見える.Ex)当事者夫婦+子,当事者夫婦+孫

 

・身体化症状は家族内の適応機能として働いている可能性がある
・一般的なライフサイクルをたどっていない(離婚,再婚,子供いない)などではストレスが強いことが知られている
・ライフサイクルのステージが変わるときにはストレスが強くなる
・家族図:縦断面での評価としてアルコールや虐待などの問題を親子で繰り返していないか,
・また自分の家族の体験を相手の家族に投影してしまっていないか(自分が長男だと相手が長男っぽい役割をしてないと陰性感情を持ってしまうなど)
・家族面談の禁忌:家族が暴力行為をするとき

 

◆家族図作成のキークエスチョン(藤沼康樹先生レクチャー)
・「病気や治療のことで,家族が最も心配していること,問題だと感じていることは?」
・「家族の中で,誰が一番病気による影響を受けてますか?,またその人はそれをどのように語っていますか?」
・「今回のことで,あなたは誰に最も助けられていますか?」
・「今,あなたが一番欲しい情報は何ですか?」
・「今のあなたには,診療所のスタッフからのどのような支援が助けになりますか?」

 

◆退院調整カンファに使うには(藤沼康樹先生レクチャー)
・登場人物把握
・ヘルスエキスパートの確認
・関係性とかは本人達は話してくれないこともあるので,ケアマネに聞いたりすることがある
・家族に接している医師やリハなどから情報を得る
・医療チームで共有するときには家族図はいいフレームワークかもしれない

卓越した病院総合診療医の対象とは

・複雑性が高く,構成要因が比較的重症な多疾患併存患者の入院治療

・下降期慢性疾患の入院治療と外来マネージメント

・未診断・未分化で症状が比較的重い患者の確定診断とマネージメント

・心理社会経済的問題によるCrisisサイクルを一時的にリセットする入院患者のマネージメント

・特定の対象疾患はないこと

(藤沼康樹先生の当科でのレクチャーより)

地域の健康増進

・大枠として地域の健康増進版のPDCAとして地域志向性プライマリ・ケア(COPC)がある.

・地域診断にはcommunity as partner model(CAPモデル)があり,これは網羅的である.

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