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私たちの診療Tips

当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

私たちの診療Tips > 5.疾患別Tips

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パーキンソン病

■症状

起立性低血圧などの自律神経症状は運動症状の発症に先行することがよくある(J Neurol NeurosurgPsychiatry.2013; 84:674)

■診断

DaTscanはパーキンソン病,DLB,PSP,MSAなどでは集積低下するが,薬剤性パーキンソニズムや血管性パーキンソニズムでは正常所見になる(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2010;81:5.)

腎性貧血

トランスフェリン飽和度(TSAT)≦20%以下,フェリチン≦500 ng / mL以下の患者では,Hbの増加に伴って鉄に反応する可能性があるため,通常エリスロポエチン製剤を投与する前に鉄を投与する.
Hbが10g/dL未満のほとんどのCKD患者に,TSAT>20%,フェリチン>200 ng /mLの場合にエリスロポエチン製剤を投与する.

例外には,
●活動性の悪性腫瘍(特に治癒が見込まれる患者)または最近の悪性腫瘍の病歴がある患者.癌の進行または再発のリスクが高まる可能性があるため,このような患者の間でのESAの使用は避ける.
●脳卒中を起こした患者.ESAによる副作用(再発性脳卒中など)のリスクが高い可能性があるため,このような患者へのESAの使用は避ける.
●特定の併存疾患(例:寝たきり,機能的能力が非常に限られている,認知症など)があり,貧血からより活動的で症候性のある人と同じ利益をESAから得る可能性が低い患者.鉄補給だけでは達成できない特定の臨床目標(輸血による入院を最小限に抑える、心不全の管理を最適化するなど)を達成するためにHbを十分に改善する必要がない限り,このような患者でのESAの使用は避ける.

Kidney Disease Improving Global Outcomes (KDIGO) clinical practice guideline for anemia in chronic kidney disease. KDIGO 2012.

ウェルニッケ脳症

・ウェルニッケ脳症は臨床診断.

頭部MRIの中脳水道周囲,第三脳室周囲,蓋板,乳頭体,視床内側に認められる対称性の異常信号はSn 53%, Sp 93%,LR 7.6/0.5(Am J Roentgenol. 1998;171:1131)

菌血症

・免疫不全ではない成人の入院患者において感染症を疑い血液培養を採取するとき、採取直前の食事の摂取量(看護師記録)が80%以上であることは、菌血症の存在に対して感度93.7%、特異度34.6%、陽性尤度比1.43、陰性尤度比0.18であり、菌血症のrule outに有用である。
・また同様の状況において、医師により悪寒戦慄があったことが確認されることは、菌血症の存在に対して感度23.5%、特異度95.1%、陽性尤度比4.78、陰性尤度比0.8であり、菌血症のrule inに有用である。
(J Hosp Med. 2017 Jul;12(7):510-515.)

 

・免疫不全でないこれから入院する成人患者において感染症を疑い血液培養を採取するとき、採取前24時間の食事の摂取量(患者あるいは家族、介護者による申告)が80%以上であることは、菌血症の存在に対して感度84.4%、特異度19.8%、陽性尤度比1.05、陰性尤度比0.79であり、菌血症のrule outに有用ではない。
(BMJ Open. 2021 May 27;11(5):e044270.)

 

・MRSA菌血症患者に対して抗MRSA薬+βラクタム系併用は,抗MRSA薬単剤と比べてAKIが有意に増える.安全性から早期中止したので効果は不明(JAMA. 2020 Feb 11;323(6):527-537)

 

・K. pneumoniaeが血液培養で検出された際,string test(培地からコロニーを爪楊枝で引っ張る)で陽性(コロニーが5mm以上糸を引く)だと肝膿瘍,髄膜炎などの侵襲性クレブシエラ感染症になりやすい(J Intern Med. 2006;259:606. )

 

・敗血症患者では解熱剤使用で28日死亡率が上昇するかもしれない(NSAIDs OR 2.61,アセトアミノフェン OR 2.05),非敗血症では死亡率は上がらない(Critical Care 2012;16:R33)

発作性心房細動

発作性心房細動患者に抗凝固療法を開始する際の心房細動持続期間の閾値については確立していない。専門家の中でも意見が分かれており、30秒から6時間まで様々である。

(UpToDate>Atrial fibrillation: Anticoagulant therapy to prevent thromboembolism.2021/6月参照)

気胸

32%以上の虚脱が見られた気胸に対して保存的加療と胸腔ドレーン留置で8週間後の再膨張率に変わりはなかった(保存的加療94.4% vs.胸腔ドレーン98.5%)

(N Engl J Med. 2020;382(5):405)

喫煙

・禁煙した人は喫煙中の人と比べて,5年間以内に心血管イベント(心血管死,脳卒中,心筋梗塞,心不全)がHR 0.61(0.49-0.76)に減った(JAMA. 2019;322(7):642)

帯状疱疹

・痛みなどの神経症状が出てから皮疹が出現するまで,数週間かかることもある(N Engl J Med. 1996;335:32. )

・治療として72時間以内の抗ウィルス薬で皮疹の消退を早めたり,神経痛の期間の短縮が報告されており,72時間以内の投与が勧められているが,72時間以降の投与に関しては臨床試験がないため効くのか効かないのかわからない.

NSAIDsの副作用

・NSAIDsによる小腸・大腸の粘膜障害を見当したRCTではセレコキシブ vs ナプロキセン+PPI vs プラセボの2週間後で16%  vs 55% vs 7%だった(Clin Gastroenterol Hepatol. 2005;3(2):133. )

ベーチェット病

・静脈性の血栓イベントは,動脈系よりも多い.ベーチェット病の静脈血栓症のリスクはコントロール群と比べ14倍(Rheumatology . 2001;40:652. )

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