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私たちの診療Tips

当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

私たちの診療Tips > 5.疾患別Tips

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細菌性腸炎

・エルシニア腸炎は,20%に咽頭炎を伴う.右下腹部痛メインの腸炎で咽頭炎を合併している場合はエルシニアを疑う(UpToDate>Clinical manifestations and diagnosis of Yersinia infections 2020/4閲覧)

蜂窩織炎

・リンパ管炎を合併することがあり,特にA群溶連菌による敗血症から急速に起こることがある.そのため,敗血症を疑う所見+リンパ管炎を伴う蜂窩織炎では入院の上静注抗菌薬投与が望ましい(Medscape>Lymphangitis Treatment & Management, 2020/4閲覧).

痔核

・痔核は,GRADE1~2の場合,妊娠によって発症した場合は自然に消失しうる( Am Fam Physician. 2011 Jul 15;84(2):204-10

梅毒

非トレポネーマ抗原による検査(例えばRPR)が微妙に低値の場合,治療後(意図しているかは関わらず),または自然治癒後のserofast reactionの可能性がある.これは十分な治療後に力価が1/4以下に低下しても,陰性化しない場合を指す.初期梅毒患者の15~20%で見られ,後期潜在梅毒では35%.RPRの力価は一般的に低値で安定する(例えば1:8未満).HIV患者ではserofastになりやすく,HIVチェックはしたほうがよい.(UpToDate>Syphilis: Treatment and monitoring 2020/3月閲覧).前値があれば比較可能.そのためRPR陽性=治療にならないかもしれない

甲状腺機能低下症

■治療

潜在性甲状腺機能低下症はTSH>10ならチラーヂンを開始を検討する.  10未満でも, 症状ありや50-60歳で心血管リスクが高い人,甲状腺腫がある,TPO抗体陽性,LDL高値では治療を検討しても良いかもしれない. (JAMA Intern Med 2014;174:32)

潜在性脳卒中 [cryptogenic stroke]

■診断

・潜在性脳卒中は虚血性脳卒中の25-40%を占めると言われている.( UpToDate > Cryptogenic Stroke > Epidemiology and Risk Factors (2020/03参照)

■治療

・潜在性脳卒中患者の二次予防については,塞栓原不明の脳塞栓(Embolic Stroke of Undetermined Sourece)であっても,抗凝固療法が抗血小板療法と比較して優れているという証拠はない.( UpToDate > Cryptogenic stroke > Treatment > Lack of benefit with anticoagulation (2020/03参照))

前庭神経炎

■診断

・AICA梗塞は38%でHIT陽性になる.しかし99%に脳幹・小脳症状を伴い,蝸牛症状を95%で伴うので前庭神経炎と区別しやすい(J Clin Neurol.2009;5:65)

■治療

・前庭神経炎に対するコルチコステロイドの有効性を調べたメタアナリシスでは,治療後1ヶ月の前庭機能改善とは関係していたものの,12ヶ月時点では全く差はなく,コルチコステロイドの明確な有用性は示されなかった.(UpToDate > Vestibular neuritis and labyrinthitis > Treatment (2020/3に参照))

骨盤内炎症症候群

・PIDに対する病歴+内診の診断性能はLR+ 1.23(0.92~1.63), LR- 0.85(0.68~1.06)(Ann Emerg Med. 2018 Dec;72(6):703-712.)

 

・PIDに対する内診所見の検査性能は

子宮圧痛 LR+ 0.99, LR- 1.09
子宮頚部可動痛 LR+ 1.05, LR- 0.67
付属器圧痛 LR+ 0.99, LR- 1.18
CDC診断基準 LR+ 1.07, LR- 0.77
(Am J Obstet Gynecol 2001;184:856-64.)

また内診所見の再現度は,検査者間一致度 17~33%(West J Med 2001;175:240-5.)

 

・PIDに対するその他検査性能は

帯下の異常  LR+ 1.14, LR- 0.68
38℃以上の発熱  LR+ 2.09, LR- 0.94
WBC >10000  LR+ 1.72, LR- 0.77
クラミジア/淋菌 PCR陽性 LR+ 3.04, LR- 0.54
(Am J Obstet Gynecol 2001;184:856-64.)

 

転倒

■各薬剤の転倒リスク
・BZ系の転倒リスク OR 1.57(1.43~1.72)(Arch Intern Med. 2009;169:1952-60)

・非BZの転倒リスク OR 2.40(0.92~6.27)
非BZの外傷を伴う転倒 OR 2.05(1.95~2.15)
非BZの骨折を伴う転倒 OR 1.63(1.42~1.87)
(Age Ageing. 2018;47(2):201-208)

・新規睡眠薬の転倒リスク
スボレキサント(ベルソムラ®)RR 0.84(0.44~1.62)(Sleep Med Rev. 2017;35:1-7)

・抗うつ薬の転倒リスク
トラゾドン(デジレル®) OR 1.20(1.00~1.40)(N Engl J Med. 1998;339:875-82 )
ミルタザピン(レメロン®) OR 1.44(1.15~1.82)(BMC Med. 2018;16:36)

 

葉酸欠乏症

・葉酸欠乏症の原因にST合剤がある(UpToDate>Causes and pathophysiology of vitamin B12 and folate deficiencies 2020/3に閲覧)

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