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私たちの診療Tips

当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

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間質性肺炎

■診断
特発性間質性肺炎[IP]のKL6は間質病変の範囲,SPDが炎症(すりガラス影)の程度と相関しているかもしれない. (respiration 2012;83:190)

頸動脈狭窄症

■診断

・50-69%狭窄に対する尤度比はエコー 4.0/0.7, CTA 3.2/0.4, MRA 4.1/0.7であり, 70-99%狭窄に対して, エコー 5.6/0.1, CTA 15.4/0.2, MRA 5.5/0.14である. (Lancet 2006 May 6;367(9521).1503)

→スクリーニングはMRA+エコーで行い, その後CTAを行うのが良いかもしれない.

・狭窄が軽度でも内膜剥離術の適応になりうる潰瘍形成の評価には, MRAのblack bloodが検査性能が非常によい[LR 23/0.08]. 頸動脈に不安定プラークがあればMRAを撮影を検討するのが良いかもしれない. (radiology 2015;274.508)

 

■治療

・頸動脈狭窄症のCASは90日間のDAPT内服治療と比べて有意に脳卒中,出血を増やす(NEJM.2011; 365:993)

卓越した病院総合診療医の対象とは

・複雑性が高く,構成要因が比較的重症な多疾患併存患者の入院治療

・下降期慢性疾患の入院治療と外来マネージメント

・未診断・未分化で症状が比較的重い患者の確定診断とマネージメント

・心理社会経済的問題によるCrisisサイクルを一時的にリセットする入院患者のマネージメント

・特定の対象疾患はないこと

(藤沼康樹先生の当科でのレクチャーより)

地域の健康増進

・大枠として地域の健康増進版のPDCAとして地域志向性プライマリ・ケア(COPC)がある.

・地域診断にはcommunity as partner model(CAPモデル)があり,これは網羅的である.

患者中心の医療(PCCM)

・患者中心の医療(Patient-centered clinical method(PCCM))は①健康,疾患,病の経験を語る,②全人的に理解する,③共通の理解基盤を見出す,④患者-医師関係を強化する,の4つのコンポーネントがある

・どんなときに使うか?

 ・主治医がその人の予約が入っていると嫌だなと思うとき

 ・その人の感情に直面するのが怖いとき

 ・薬飲まないとか解釈が違うとき

→つまり,なんか患者さんとの間にズレを感じ,スッキリしないなと思うとき.

・①→④の順番にやらなければならないわけではなく,PCCMの全体像を示したもの.

実際には③の共通基盤がないと感じられたときに,①と②を同時に探っていく.

・①健康,疾患,病の経験を語る:FIFEとその人の健康観を聞く

・②全人的に理解する:コンテクストを考える際には家族図とライフヒストリーが大事

 

臨床倫理 4分割表

実診療ではモヤモヤすることも少なくありません.

そんなときに何か大事な視点が欠けていないかを検討するのに臨床倫理の4分割表を多用します.

・医学的適応のポイントとして,その人の余命の見積もりとアウトカム発生率の見積もりは,介入を行うかに直結するため重要です.そのためにはEBMの定量的な評価が必要になります.

・患者さんの意向のポイントは代理決定時に,「”患者さんだったら”どう思いますか?」というのが非常に大切だと思います.

・周囲の状況として,経済的な視点は避けては通れません.特に入院継続や施設入所にどのくらいのお金がかかるのかは具体的にイメージができていないと,現実的な選択肢になりません.

・QOLではCLINICAL ETHICS 8th edによれば,もともとの状態との落差がQOLを大きく規定するとのことです.もともとADLが自立な人のADL低下と,もともとADLが低い人のさらなるADL低下では,現時点のADLは同じでも前者の方がQOLは大きく損なわれている可能性があるとのことです.そのため,元の状況がどうかもポイントになります.

 

 

EBMの5つのステップ

EBMの5つのステップ.

まずこれを知ることから始まります.

なんとなく枠組みをおさえたら,各ページへどうぞ.
私たちが学んだTIPSを共有します.

STEP4の4要素

STEP4はエビデンス,病状と周囲の環境,本人の意向,医療者の臨床経験の4つの要素を検討します.

ここでも,患者さんの価値観が重要になってきます.

またコストに関しては漏れやすい視点ですので注意が必要です.コストは薬剤などの介入,検査に伴うものもそうですが,介入しなかった場合に起こるアウトカム発生によるコストも重要です.コストはお金の話だけでなく,介護負担なども入ります.

臨床経験は非常に大事です.事前確率の設定や,介入のフォローの仕方,エビデンスがない介入の実感などは臨床判断するにあたっては欠かせません.

詳細は南郷栄秀先生のThe SPELLの「はじめてアプリシート」(http://spell.umin.jp/EBM_materials_BTS.html)にありますが,おおよその検討事項についてスライドで共有します.

 

真のアウトカムとは?

STEP1で臨床の疑問をPICOで定式化する際には,Outcomeが”真の”アウトカムかどうかが重要です.
例えば,
P:脳梗塞で嚥下障害があり,経口摂取ができない83歳男性が

I:胃ろう造設術を受けるのは

C:受けない場合に比べ

O:
どのくらい余命が伸びるか?
処置がつらいか?
感染が少ないか?多いか?
お金がかかるか?
介護の負担が多いか?
自宅に帰れるか?

 

など,たくさんのアウトカムがあると思います.

 

その中で患者さん本人が何を重要視しているか(”真の”アウトカム)によって,探すべき情報源が全く異なります.

お金のことをメインにしている人には,ひょっとすると余命延長は優先順位が下がるかもしれず,生命予後を検討した研究を探してもしょうがないかもしれません.

ですので,その患者さんが何を重要視しているかの”真の”アウトカムが何かを検討しましょう.

これは本人のライフヒストリー,価値観の聴取が必要ですので,教科書やPCなどではなく患者さんと向き合うことが必要です.

代表的なPICOの種類と立て方

疑問の定式化でPICOを立てるときに,知りたい疑問によって立て方が違います.

治療,診断など,代表的な6つのカテゴリのPICOの立て方を共有します.

 


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