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私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
患者中心の医療(PCCM)
・患者中心の医療(Patient-centered clinical method(PCCM))は①健康,疾患,病の経験を語る,②全人的に理解する,③共通の理解基盤を見出す,④患者-医師関係を強化する,の4つのコンポーネントがある
・どんなときに使うか?
・主治医がその人の予約が入っていると嫌だなと思うとき
・その人の感情に直面するのが怖いとき
・薬飲まないとか解釈が違うとき
→つまり,なんか患者さんとの間にズレを感じ,スッキリしないなと思うとき.
・①→④の順番にやらなければならないわけではなく,PCCMの全体像を示したもの.
実際には③の共通基盤がないと感じられたときに,①と②を同時に探っていく.
・①健康,疾患,病の経験を語る:FIFEとその人の健康観を聞く
・②全人的に理解する:コンテクストを考える際には家族図とライフヒストリーが大事
臨床倫理 4分割表
実診療ではモヤモヤすることも少なくありません.
そんなときに何か大事な視点が欠けていないかを検討するのに臨床倫理の4分割表を多用します.
・医学的適応のポイントとして,その人の余命の見積もりとアウトカム発生率の見積もりは,介入を行うかに直結するため重要です.そのためにはEBMの定量的な評価が必要になります.
・患者さんの意向のポイントは代理決定時に,「”患者さんだったら”どう思いますか?」というのが非常に大切だと思います.
・周囲の状況として,経済的な視点は避けては通れません.特に入院継続や施設入所にどのくらいのお金がかかるのかは具体的にイメージができていないと,現実的な選択肢になりません.
・QOLではCLINICAL ETHICS 8th edによれば,もともとの状態との落差がQOLを大きく規定するとのことです.もともとADLが自立な人のADL低下と,もともとADLが低い人のさらなるADL低下では,現時点のADLは同じでも前者の方がQOLは大きく損なわれている可能性があるとのことです.そのため,元の状況がどうかもポイントになります.
ストーリーテリングとポートフォリオ
プレゼン本にはよく出てきますが,具体的にどうやっているかわからず導入しづらいことも多いと思います.
今回はストーリーテリングの典型パターンを紹介し,プレゼンとポートフォリオにどう生かすかを提案します.
ストーリーテリングがよくわからない人,PF書き始めの人にオススメ.
ACCCA
- 2.家庭医療理論
- 2020.03.09
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方